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特別支援教育・情報教育・チャレランのMix!

Written by: on 2010/07/29 @ 00:04

MicrosoftSQLServerとMicrosoftInfoPathで,データベースシステムの「個別の指導計画」を開発する

1.データベースを使う理由

「個別の指導計画」は,特別支援教育において,児童生徒の学習や生活に関する指導の基盤となるものである。書式については,各学校によって考えられるが,ほとんどの場合は,パソコンを使って作成されている。

パソコンを使って作成している,というのは,ワープロソフトや表計算ソフトなどを使い,一つのドキュメントファイルとして作成しているということである。

しかし,一部でデータベースを使い,児童生徒の情報をデータベースに集約,管理して,「個別の指導計画」を作成している動きがある。

ここでは,データベースを使ったシステムの開発について取り上げるが,以下の点でデータベースを使う意味を強調したい。

  • A:児童生徒の情報をよりセキュアな環境で一元管理することができる
  • B:ネットワークの機能を使い,複数のパソコンで同時に児童生徒の情報を活用することができる

Aについては,サーバーのセキュリティ設定によって,データベースに格納されている情報を暗号化したり,サーバーへのアクセスを制限したりすることで,セキュアな環境にすることができる。安心できる環境で,児童生徒の個人情報を一元的に集約することができる。

Bについては,一元管理されている情報を,ネットワーク上の複数のコンピューターで,同時に処理をすることができる点で,業務の効率化を図ることができる。ドキュメントファイルとなっているデータは,複数台のコンピューターで同時に編集することはできないが,データベースを使うことで可能になる。

2.SQLServerとInfoPathの組み合わせの理由

MicrosoftInfoPathは,XMLオーサリングソフトとして,フォームを作成してXMLのデータを使うことができるアプリケーションである。

MicrosoftInfoPathは,直接XMLのデータを扱うだけではなく,データベースに接続して,フロントエンドとして使うことができる点で,MicrosoftWordやMicrosoftExcelと一線を画している。

WordやExcelもデータベースに接続してデータを読み出すことは可能だが,入力したデータをデータベースへ送り,データベースのデータとして格納させることはできない。

しかし,InfoPathなら,自由なレイアウトのフォームを作ることができ,かつ,フォームに入力したデータをサーバーに送って,保存させることが可能である。

バックエンドとして使うデータベースについては,MicrosoftAccessでも可能だが,ネットワーク上で使うことと,多数のコンピューターで使うことを考えると不向きである。そのため,ネットワーク上で多数のコンピューターからのアクセスに耐えうることから,MicrosoftSQLServerを選択した。

3.系統的な指導をしていくために

指導や支援をしていくことを考えた場合に,児童生徒の情報が蓄積され,引き継がれるようになっていることが重要である。

そして,障害のある児童生徒一人一人に応じた指導内容や支援方法を系統的,段階的に考えていくために,年度間を通した指導の経緯や,他の児童生徒の比較ができるようになっていることが大切である。

担任や授業担当者が変わっても,指導や支援の方針を引き継ぎながら,長期的な視点で定めた方針に従い,系統性を考えた指導や支援をしていくことが,特別支援教育には必要である。

これを可能にするために,情報が適切に引き継げるシステムを開発することを考えた。

4.すぐに改良を加えられるようにする

システムを開発することを外部へ委託すると,仕様を決めて発注することになる。

しかし,使い始めると,もともとの仕様から変更しなければならないことがたくさんあり,外部発注でのシステムでは,変更をすぐに行うことが,技術的や契約上の問題で難しい。

システムを自前で開発することで,不具合への迅速な対応や,仕様の変更への柔軟な対応が可能である。

つねに改良を加え,進化し続けるシステムこそが,現場には必要である。

Catogories: SQLServerとInfoPath, 情報教育

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